お店を開く前に知っておきたい!「用途地域」の基本
- 5 日前
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ベストパートナーズ行政書士事務所 代表の森重です。
「念願の居酒屋やバーを開業したい!」
「おしゃれな物件を見つけたから、ここで深夜営業を始めよう!」
そう思ったとき、内装や家賃のほかに絶対にチェックしなければならない法律上の大原則があります。それが「用途地域(ようとちいき)」です。
実は、いくら気に入った物件であっても、この用途地域の設定によっては「法律上、ここではお店の営業ができない」という最悪の事態が起こり得ます。今回は、知っておかないと怖い用途地域の仕組みと、東大阪ならではの特別ルールについて分かりやすく解説します!
1. そもそも「用途地域」ってなに?

用途地域とは、一言で言えば「街を住みやすく、働きやすくするために国や自治体が決めた、土地の使い方のルール」です。
もし、静かな住宅街の真ん中に巨大な工場が建ったり、子どもたちが通う学校のすぐ隣に深夜まで大騒ぎする繁華街ができたりしたらみんなが困ってしまいますよね。そうした大混乱を防ぐため、街のエリアごとに「ここは家を建てる場所」「ここは買い物を楽しむ場所」とあらかじめ枠組みを決めているのです。
用途地域は大きく分けると「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分類され、現在は全部で13種類に細かく分かれています。
2. 用途地域が指定されると、何が決まる?

用途地域が指定されると、その土地に「建ててよい建築物の種類」が厳格に決まります。さらに、建物のパーセンテージ(建蔽率・容積率)や、高さの制限なども同時に行われます。
例えば、以下のような面白いルールや注意点があります。
◆学校が建てられない場所: 「工業地域」や、完全に工場のためのエリアである「工業専用地域」には、子どもたちの安全や環境を考慮して学校を建てることができません。
◆どこにでも建てられる施設: 逆に、私たちの生活に必要不可欠な「公衆浴場(お風呂屋さん)」「診療所(病院)」「保育所」などは、13種類すべての用途地域に建てることが認められています。

【バーや居酒屋で深夜0時以降もお酒を提供する(深夜酒類提供飲食店)】といった営業や、スナックなどの風俗営業を行う場合、基本的には「商業系」などの限られた地域でしか営業が許可されません。住宅メインのエリアでは営業の許可が下りないのです。
これらの基準や、どの場所にどの用途地域が割り当てられているかは、都道府県や自治体によって細かく異なる可能性があります。物件を借りる契約を結ぶ前に「開業したい店舗の住所の用途地域」をネット(自治体の地図情報サイトなど)で事前に必ず調べておくことが極めて重要です。
3. さらに地域に密着した「特別用途地区」とは?

用途地域という大枠のルールだけでは、その街ならではの細かな事情に対応しきれないことがあります。そこで登場するのが「特別用途地区(とくべつようとちく)」という制度です。
これは、すでに定められている用途地域の上に、さらに「重ね書き」するように指定される特別なエリアです。地方自治体が独自の「条例」を作ることで、通常の用途地域よりもさらに厳しい制限を加えたり、逆にルールを緩めたりして、地域の特性にぴったり合ったまちづくりを行います。

ものづくりの街・東大阪にも、この特別用途地区が指定されている場所があります。 東大阪市では「水走(みずはい)地区」などを『工業保全地区』という特別用途地区に指定しています。
これは「せっかくの町工場のエリアに、たくさん住宅が建ってしまって操業しづらくなるのを防ごう」という目的などから、工場の環境を守るために一般の用途地域よりもさらに踏み込んだ特別なルールが敷かれているエリアなのです。
用途地域や特別用途地区は、一見すると難しい都市計画のお話に思えますが、実は私たちがお店を開業する際の「一丁目一番地」となる最も大切な法律の壁です。
「この物件で深夜営業のバーは開ける?」
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