創業融資は「個人事業主」と「法人」どちらで申し込むべき?公庫融資の違いを解説
更新日:3 日前

創業融資のご相談をお受けする中で「そもそも個人事業主のまま融資を申し込むべきか、先に法人を設立してから申し込むべきか」という質問をとても多くいただきます。

法人の方が融資の時に有利って聞いたけど本当?今から法人化するべきかしら…。実際どうなの?!
今回は、日本政策金融公庫の公式情報をもとに、個人事業主と法人で創業融資がどう違うのか、判断のポイントを分かりやすく解説します!
目次 |
1.融資の枠組み自体は「個人でも法人でも同じ」 |

日本政策金融公庫のQ&Aで、「個人での創業で融資申込するのと法人での創業で申込するのに違いはありますか】という質問に対して、下記のような回答がされています。(日本政策金融公庫「創業支援Q&A」)。
融資申込について、個人と法人とで大きな違いは特にありません(法人で申し込む際には履歴事項全部証明書または登記簿謄本が必要になるくらいです)。融資を受けるうえでどちらが有利ということはありません。
つまり、法人化しなければ融資は受けられない、ということはなく、個人事業主として堂々と融資を申請することが出来るのです。

融資申請に合わせて法人化をお考えだった方は、ぜひ安心してください。将来、事業が軌道に乗ってから法人化でも遅くはありませんよ。
2.本当の分かれ道は「経営者保証」の扱い |

制度の枠組みは同じでも、確認しておきたいのが【経営者保証免除特例制度】です。

【経営者保障免除特例制度】とは??法人でも個人でも使える制度なのか?
経営者保証免除特例制度は、会社が融資を受ける際に「経営者個人の保証(連帯保証)」を不要または解除できる仕組みです。万が一事業が行き詰まっても個人の財産まで失うリスクが減るため、経営者が思い切った事業展開やスムーズな事業承継に挑戦しやすくなります。つまり、法人と個人の経理分離など一定の要件を満たすことがポイントです。
個人事業主は、そもそも事業主本人がそのまま無限責任を負う立場のため、法人のような「経営者保証を外す」という発想自体が当てはまりにくい構造になっています。
そのため、個人財産を守りながら融資を受けて事業を拡大したい場合は、法人化(法人設立)を検討することが有効なステップとなります。
3.必要書類にも意外な違いがある |

日本政策金融公庫のホームページの融資制度のご案内には、各融資制度についての詳細が載せられています。また、パンフレット【創業融資のご案内(PDF)】には、必要書類の一覧も載せられていますので、一度ご覧ください。
📄 必要書類の違い
法人の場合: 履歴事項全部証明書または登記簿謄本が必要共通: 借入申込書や本人確認書類等が求められる |

法人と個人の必要書類にあまり違いがない??
法人と個人の違いで必要書類の違いに大きく違いはありませんが、収支の状況や融資の希望金額等で必要書類が異なる場合があるため、一度申込窓口で相談されることをお勧めします。なお、申込窓口は、個人は創業予定地を管轄する支店、法人は本店所在地を管轄する支店とされています。
4.創業融資を受けたい場合「法人成り」のタイミングは慎重に |

個人事業として事業を始めた後に法人化する「法人成り」は、融資の面でも注意したいタイミングです。

法人成りとは、個人事業主が事業をステップアップさせて「法人(会社)」を設立し、これまでの事業を新会社へ引き継ぐことです。
法人を設立して創業する場合、融資の対象になるのは【設立登記後の法人】で、資本金の払込みに充てる資金は融資の対象外とされています。
また、新規開業・スタートアップ支援資金の対象は、「新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方」とされています。法人成りの場合に、個人事業の期間がどう扱われるかは、個別の事情によって異なる可能性があるため、必ず法人化の前に、公庫の窓口で確認するようにしましょう。
💡 見落としがちな罠
• 法人化のタイミングや、資本金に充てる資金が融資の対象外である点を確認していなかった• 個人事業のうちに融資を受けたものの、法人化後の借り換えや引継ぎを想定していなかった• 法人化のタイミングを税理士と相談せず、融資と税務の両方で後悔した |

事業形態をいつ・どう切り替えるかは、融資だけでなく税務にも直結する重要な判断です。具体的な税額の試算や申告に関するご相談は税理士の専門領域となるため、当事務所では必要に応じて連携先の税理士をご紹介しながら進めています。
5.個人か法人か、実務的な考え方 |

業種や事業の規模によって、個人事業主から始めるか、最初から法人にするかは変わってきます。どちらが一般に多いとは言い切れません。
• 小さく始めて、様子を見ながら広げたい• 取引先や許認可の関係で、最初から法人が必要• 資金計画や、事業拡大のスピード、保証の考え方に合わせたい |
どちらが正解ということではなく、資金計画・事業拡大のスピード・保証の考え方などを総合的に見て判断することが大切です。
まとめ
創業融資そのものの枠組みは個人事業主でも法人でも大きく変わりませんが、経営者保証の扱いや必要書類、法人成りのタイミングには実務上の重要な違いがあります。
当事務所では、創業計画書の作成から必要書類の準備まで、開業を目指す皆様を、創業期から全力でバックアップいたします!
「個人と法人、結局どちらがいいの?」というお悩みも大歓迎です。ぜひ一度当事務所の無料相談でお気軽にご相談ください!
▼法的根拠・参照
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